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【コピペでOK】Outlookメールアドレスから自動で本文に会社名と個人名の宛先を入力する|VBAマクロ自動化

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課題・悩み「メールで会社名な名前を入力するのが面倒」

解決策「Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコード」を解説

メールを作成する際に、いちいち宛先を入力するのは面倒。

「前株?あと株?」「どのサイトウさんだっけ?」

そこで、メールのTOに入力されたアドレスから自動で宛先を入力するVBAマクロを作成しました。

コピペで使えます。

この記事では

【Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコード】を解説しています。

目次

Microsoft Outlookでメールアイテムに自動挨拶文を挿入するVBAマクロ

Microsoft Outlookでは、日々大量のメールを処理する必要があります。

特定の受信者に向けたメールを作成する際、毎回同じような挨拶文を手動で入力するのは時間がかかり、効率も良くありません。

このような状況を解決するために、VBAマクロを利用して自動化する方法を紹介します。

今回は、特定のドメインを持つ受信者に対してカスタマイズされた挨拶文を、その他の受信者には一般的な挨拶文を自動で挿入するマクロを作成します。

VBAマクロの概要

このマクロは、Outlookで現在選択しているメールアイテムを取得し、そのメールの受信者のドメインを確認します。

指定したドメインに一致する場合、特定の挨拶文をメールの本文に挿入します。

一致しない場合は、一般的な挨拶文を挿入します。

この自動化により、メール作成の効率を大幅に向上させることができます。

ドメインにより入力を分岐させているのは、社内のアドレスがExchange環境で管理されており、自分で登録した連絡先を参照できないようになっていたからです。

そこで、社外は登録した【連絡先】の【勤務先】と【姓】のデータを、社内は【表示名】のデータを参照するようにコードを作成しています。

メールのアドレスから宛先を本文に自動入力するVBAマクロを使うための準備

【メールのアドレスから宛先を本文に自動入力するVBAマクロ】を使うためには、アドレスを連絡先に登録する必要があります。

自動入力したいアドレスを連絡先に登録する

アドレスを連絡先に保存する方法は以下の通りです。

受信トレイで、連絡先に登録したいメールを開きます。

 

メールの上部にある送信者の名前をクリックします。

 

Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコードの画像

【…】をクリックします。

Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコードの画像

【連絡先フォルダに追加】をクリックします。

Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコードの画像

【勤務先】に会社名を【姓】に名字を入力します。

連絡先の【勤務地】と【姓】に入力した情報が自動宛先として、メール本文に挿入されます。

Outlookのメールのアドレスから本文に宛先を自動入力するVBAマクロのコードの画像

【保存して閉じる】をクリックします。

 

メールのアドレスから宛先を本文に自動入力するVBAマクロのコード_社内社外で条件分岐

私の会社では、OutlookがExchangeで管理されているため、【勤務先】と【姓】を連絡先に登録してもメールの宛先として取得することができませんでした。

そのため、社内のアドレスの宛先はExchangeで管理されている【表示名】から取得し、社外のアドレスの宛先は連絡先に自分で登録した【勤務先】と【姓】から取得するようにしました。

  • 社内のアドレス…【@社内のアドレス】
  • 社外のアドレス…【@社内のアドレス】以外

このVBAマクロは、Microsoft Outlookで選択されたメールアイテムに対して特定の条件に基づき宛名を挿入する自動化スクリプトです。

Sub 指定宛先に挨拶文を挿入するALL()

    Dim objReItem As Outlook.MailItem
    Dim recipient As Outlook.recipient
    Dim strAddBody As String
    Dim recipientAddress As String
    Dim domainToCheck As String
    Dim myContactItem As Outlook.contactItem
    Dim japaneseLastName As String
    Dim exUser As Outlook.exchangeUser
    Dim objDOC As Object
    Dim objWord As Word.Application
    Dim objSel As Word.Selection

    ' 特定のドメインを設定
    domainToCheck = "@example.com" ' ここを一般的なドメインに置き換えます。

    ' 現在表示中のメールアイテムを取得
    Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem
    Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1)

    ' ExchangeUserオブジェクトを取得
    On Error Resume Next
    Set exUser = recipient.AddressEntry.GetExchangeUser
    On Error GoTo 0

    ' Eメールアドレスを取得
    If Not exUser Is Nothing Then
        recipientAddress = exUser.PrimarySmtpAddress
    Else
        recipientAddress = recipient.Address
    End If

    ' ドメインに基づいて処理を分岐
    If InStr(recipientAddress, domainToCheck) > 0 Then
        ' recipient.Nameから名字を取得(" 名前" の部分を削除)
        japaneseLastName = Split(recipient.Name, " ")(0)
        strAddBody = japaneseLastName & "さん" & vbCrLf & vbCrLf & "お世話になっております。" & vbCrLf
    Else
        On Error Resume Next
        Set myContactItem = recipient.AddressEntry.GetContact
        On Error GoTo 0

        If Not myContactItem Is Nothing Then
            With myContactItem
                strAddBody = .CompanyName & vbCrLf & .Department & " " & .lastName & " 様" & vbCrLf & vbCrLf & "いつもお世話になっております。" & vbCrLf
            End With
        Else
            MsgBox "宛先の連絡先を取得できませんでした。", vbExclamation
            Exit Sub
        End If
    End If

    ' WordEditorオブジェクトを取得
    Set objDOC = objReItem.GetInspector.WordEditor
    Set objWord = objDOC.Application

    ' 挨拶文を本文の先頭に追加し、フォントを游ゴシックに設定
    objDOC.Range(0, 0).InsertBefore strAddBody
    objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"
    objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11

    ' メールを表示
    objReItem.Display

    ' 使用したオブジェクトの解放
    Set myContactItem = Nothing
    Set recipient = Nothing
    Set objReItem = Nothing
    Set exUser = Nothing
    Set objDOC = Nothing
    Set objWord = Nothing
    Set objSel = Nothing

End Sub

処理の概要

特定のドメイン設定

メールの受信者が特定のドメインに属しているかを判断する基準を設定します。

domainToCheck = "@example.com"

メールアイテムの取得

現在Outlookで開いているメールアイテムとその受信者情報を取得します。

Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem
Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1)

受信者のメールアドレス取得

受信者のExchangeUserオブジェクトを取得し、そこからメールアドレスを抽出します。

Set exUser = recipient.AddressEntry.GetExchangeUser
recipientAddress = exUser.PrimarySmtpAddress

挨拶文のカスタマイズ

受信者の情報に基づいて適切な挨拶文を作成します。

特定のドメインに属する日本の受信者には名字を用い、それ以外の場合は連絡先情報を使用します。

If InStr(recipientAddress, domainToCheck) > 0 Then

挨拶文の挿入

Wordエディタを通じてメール本文の最初に挨拶文を挿入し、フォントを設定します。

objDOC.Range(0, 0).InsertBefore strAddBody

リソースの解放

使用したオブジェクトへの参照をクリアして、リソースを解放します。

Set myContactItem = Nothing

注意点

データ量

このマクロは、一度に1つのメールアイテムにのみ作用します。

複数のメールに対して同じ操作を行う場合は、メールごとに実行する必要があります。

データ量が多くないため、処理にかかる時間は通常は問題になりません。

実行の取り消し

VBAで実行した操作は、一般的に元に戻せません。

メールに挨拶文を挿入した後、それを取り消したい場合は手動で行う必要があります。

セキュリティ

マクロを実行するには、OutlookおよびWordのセキュリティ設定でマクロを許可する必要があります。

マクロの実行はセキュリティリスクを伴う場合があるため、信頼できるマクロのみを使用してください。

必要な環境設定

参照設定

このマクロを実行するには、VBAエディタ内で「Microsoft Outlook 16.0 Object Library」および「Microsoft Word 16.0 Object Library」への参照設定が必要です。

これらの設定は、VBAエディタのツールメニュー内の「参照設定…」から追加できます。

セキュリティ設定

OutlookおよびWordでマクロを許可する設定を確認し、必要に応じて調整してください。

セキュリティの警告が表示された場合は、マクロのソースが信頼できるものであることを確認してから実行してください。

参照設定

このマクロを実行するには、Outlookがインストールされていること、および “Microsoft Outlook 16.0 Object Library”(または使用しているOutlookのバージョンに応じたもの)への参照設定が追加されていることが必要です。

これはVBAエディタの「ツール」メニューの「参照設定」から行えます。

メールの編集には “Microsoft Word 16.0 Object Library” の参照設定も必要になることがあります。

これは、メール本文の編集にWordの機能を利用するためです。

カスタマイズ箇所

このコードをご自身の環境で使用するために変更が必要な部分について、以下にまとめました。

変更が必要な箇所は主に、特定のドメイン名、挨拶文の内容、およびフォントの設定です。

これらの変更を行うことで、コードを自分の環境や好みに合わせてカスタマイズすることができます。

ドメインの設定

メールの受信者が特定のドメインに属しているか判断するためのドメイン名。

自分の環境や目的に応じてこの値を適切なドメインに変更します。

domainToCheck = "@example.com"

ドメインの設定の注意点

自分が対応したい特定のドメインを正確に指定してください。

間違ったドメインを設定すると、意図した受信者に対して挨拶文が挿入されない可能性があります。

挨拶文のカスタマイズ

受信者に応じた挨拶文。

受信者の名前や所属に応じて挨拶文を変更したい場合、この部分を編集します。

特に、文化的な背景やビジネスシーンに合わせて挨拶文を調整することができます。

特定のドメインに属する受信者用:
strAddBody = japaneseLastName & "さん" & vbCrLf & vbCrLf & "お世話になっております。" & vbCrLf
その他の受信者用:
strAddBody = .CompanyName & vbCrLf & .Department & " " & .lastName & " 様" & vbCrLf & vbCrLf & "いつもお世話になっております。" & vbCrLf

挨拶文のカスタマイズの注意点

挨拶文は、受信者の文化やビジネス環境に適している必要があります。

不適切な挨拶文を使用すると、受信者に対して失礼にあたる場合があります。

フォント設定

メールの挨拶文に使用するフォントの種類とサイズ。

文書のフォーマットに合わせて、または個人の好みに応じてフォント名やサイズを変更します。

objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"
objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11

フォント設定の注意点

選択するフォントは、メールを読む受信者のコンピューターにインストールされている必要があります。

一般的に使用されているフォントを選ぶか、あるいはメールの受信者が使用している環境を考慮してください。

メールのアドレスから宛先を本文に自動入力するVBAマクロのコード_連絡先から情報を取得

このVBAでは、受信者の連絡先情報から企業名と部署を用いて挨拶文を生成します。

Sub 挨拶文を挿入_連絡先基準()

    Dim objReItem As Outlook.MailItem
    Dim recipient As Outlook.Recipient
    Dim strAddBody As String
    Dim myContactItem As Outlook.ContactItem
    Dim objDOC As Object

    ' 現在表示中のメールアイテムを取得
    Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem
    Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1)

    ' 連絡先情報を取得し、挨拶文を生成
    On Error Resume Next
    Set myContactItem = recipient.AddressEntry.GetContact
    If Not myContactItem Is Nothing Then
        With myContactItem
            strAddBody = .CompanyName & vbCrLf & .Department & " " & .LastName & " 様" & vbCrLf & vbCrLf & "いつもお世話になっております。" & vbCrLf
        End With
        
        ' WordEditorオブジェクトを取得し、挨拶文を本文の先頭に追加し、フォントを設定
        Set objDOC = objReItem.GetInspector.WordEditor
        objDOC.Range(0, 0).InsertBefore strAddBody
        objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"
        objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11
        
        ' メールを表示
        objReItem.Display
    Else
        MsgBox "宛先の連絡先を取得できませんでした。", vbExclamation
    End If
    On Error GoTo 0

    ' 使用したオブジェクトの解放
    Set objReItem = Nothing
    Set recipient = Nothing
    Set myContactItem = Nothing
    Set objDOC = Nothing

End Sub

このVBAマクロは、Outlookで現在表示中のメールに対して、その宛先(受信者)の連絡先情報に基づいた挨拶文を自動で挿入する処理を行います。

そのため、事前に自動入力したい宛先を連絡先に登録して、会社名と名字を入力しておく必要があります。

処理ごとの解説

現在表示中のメールアイテムの取得

メールを作成または読んでいる際に開いているウィンドウ(インスペクター)から、現在操作しているメールアイテムを取得します。

Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem

宛先の取得

メールの宛先(受信者)のリストから最初の宛先を取得します。

Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1)

連絡先情報の取得と挨拶文の生成

宛先の連絡先情報を取得し、その情報から挨拶文を組み立てます。

連絡先情報が取得できない場合は、エラーメッセージを表示します。

Set myContactItem = recipient.AddressEntry.GetContact とその後の If Not myContactItem Is Nothing Then ブロック

挨拶文の挿入とフォントの設定

取得したWordEditorオブジェクトを使用して、メール本文の先頭に挨拶文を挿入し、フォントの種類とサイズを設定します。

Set objDOC = objReItem.GetInspector.WordEditor とその後の処理

オブジェクトの解放

使用したオブジェクトをメモリから解放し、リソースをクリーンアップします。

最後の4行

注意点

処理時間

データが大量にある場合(例えば、受信者リストが非常に大きい場合)、処理に時間がかかることがあります。

これは、各受信者の連絡先情報を取得する際に、外部の連絡先データベースやアドレス帳にアクセスする必要があるためです。

バックアップしてから実行

VBAマクロで実行した操作は基本的に元に戻せません。

特にメールに対する変更は注意が必要です。

変更を加える前に、必要であればメールの内容をバックアップするなどの対策をとるとよいでしょう。

必要な環境設定

参照設定

このマクロを実行するには、Outlookがインストールされていること、および “Microsoft Outlook 16.0 Object Library”(または使用しているOutlookのバージョンに応じたもの)への参照設定が追加されていることが必要です。

これはVBAエディタの「ツール」メニューの「参照設定」から行えます。

メールの編集には “Microsoft Word 16.0 Object Library” の参照設定も必要になることがあります。

これは、メール本文の編集にWordの機能を利用するためです。

カスタマイズ箇所

このVBAマクロをご自身の環境で利用する際に変更する可能性がある箇所は主に挨拶文の内容やフォントの種類、サイズです。

これらは個人の好みや使用環境に合わせて調整することが推奨されます。

以下に、変更する可能性のある箇所とその解説をまとめた表を示します。

挨拶文の内容

挨拶文は受信者の連絡先情報に基づいて自動生成されますが、このメッセージは状況や好みに応じて変更可能です。

例えば、よりカジュアルな挨拶や、異なる言語での挨拶に変更したい場合などが考えられます。

strAddBody = .CompanyName & vbCrLf & .Department & " " & .LastName & " 様" & vbCrLf & vbCrLf & "いつもお世話になっております。" & vbCrLf

フォントの種類

挨拶文のフォントの種類は、「Yu Gothic」に設定されていますが、この設定はご自身が使用しているメールの標準フォントや好みのフォントに合わせて変更することができます。

objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"

フォントのサイズ

挨拶文のフォントサイズは11に設定されていますが、これも読みやすさや好みに応じて調整することが可能です。

objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11

メールのアドレスから宛先を本文に自動入力するVBAマクロのコード_受信者の名字名から情報を取得

このVBAでは、受信者の名字に基づいて挨拶文を生成します。

Sub 挨拶文を挿入_名字基準()

    Dim objReItem As Outlook.MailItem
    Dim recipient As Outlook.Recipient
    Dim strAddBody As String
    Dim recipientAddress As String
    Dim japaneseLastName As String
    Dim exUser As Outlook.ExchangeUser
    Dim objDOC As Object

    ' 現在表示中のメールアイテムを取得
    Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem
    Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1)

    ' ExchangeUserオブジェクトを取得し、Eメールアドレスを取得
    On Error Resume Next
    Set exUser = recipient.AddressEntry.GetExchangeUser
    If Not exUser Is Nothing Then
        recipientAddress = exUser.PrimarySmtpAddress
    Else
        recipientAddress = recipient.Address
    End If
    On Error GoTo 0

    ' 宛先の名前から日本語の挨拶文を生成
    japaneseLastName = Split(recipient.Name, " ")(0)
    strAddBody = japaneseLastName & "さん" & vbCrLf & vbCrLf & "お世話になっております。" & vbCrLf

    ' WordEditorオブジェクトを取得し、挨拶文を本文の先頭に追加し、フォントを設定
    Set objDOC = objReItem.GetInspector.WordEditor
    objDOC.Range(0, 0).InsertBefore strAddBody
    objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"
    objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11

    ' メールを表示
    objReItem.Display

    ' 使用したオブジェクトの解放
    Set objReItem = Nothing
    Set recipient = Nothing
    Set exUser = Nothing
    Set objDOC = Nothing

End Sub

このVBAマクロは、Outlookで開いているメールアイテムに対して自動的に挨拶文を挿入する機能を提供します。

特にドメインに基づくフィルタリングなしに、メールの最初の宛先の名前を使用して、宛先と挨拶文をメールの本文の先頭に加えることが目的です。

このVBAを利用するのは、社内のExchange環境の設定などにより、メールアドレスの表示名が【名字 名前】になっている場合です。

Exchange環境で連絡先が設定されていると、前の連絡先の登録情報から会社名や名前を取得することができません。

そのため、前もって登録されている表示名から必要な情報を参照するように、コードを設定しています。

処理の概要と解説

以下に、処理ごとの概要と解説、対象となるコードをまとめます。

メールアイテムの取得

現在Outlookで開いているメールアイテムを取得します。

このアイテムに対して後続の操作を行います。

Set objReItem = ActiveInspector.CurrentItem

宛先情報の取得

メールの最初の宛先からExchangeUserオブジェクトを取得し、そのEメールアドレスや名前を取得します。

Set recipient = objReItem.Recipients.Item(1) および以下のエラーハンドリング

挨拶文の生成

宛先の名前(特に名字)を使用して、日本語での挨拶文を生成します。

japaneseLastName = Split(recipient.Name, " ")(0) 
 strAddBody = japaneseLastName & "さん" & vbCrLf & vbCrLf & "お世話になっております。" & vbCrLf

挨拶文の挿入とフォント設定

生成した挨拶文をメールの本文の先頭に挿入し、フォントの種類とサイズを設定します。

Set objDOC = objReItem.GetInspector.WordEditor および以下のフォント設定

メールの表示とオブジェクトの解放

最終的にメールを表示し、使用したオブジェクトを解放してリソースを開放します。

objReItem.Display およびオブジェクトの解放

注意点

バックアップしてから実行

メールアイテムを変更すると、変更前の状態に戻すことが難しい場合があります。

操作を行う前に、必要に応じて内容をバックアップすることをお勧めします。

処理時間

データが大量にある場合や、システムの性能によっては、マクロの実行に時間がかかることがあります。

特に大量のメールを処理する場合は、処理時間を考慮する必要があります。

想定されない挙動

このマクロは、宛先が多数存在するメールや複雑なフォーマットのメールに対しては想定された挙動をしない可能性があります。

最初の宛先にのみ焦点を当てています。

必要な環境設定

参照設定

このマクロを実行するには、Outlookがインストールされていること、および “Microsoft Outlook 16.0 Object Library”(または使用しているOutlookのバージョンに応じたもの)への参照設定が追加されていることが必要です。

これはVBAエディタの「ツール」メニューの「参照設定」から行えます。

メールの編集には “Microsoft Word 16.0 Object Library” の参照設定も必要になることがあります。

これは、メール本文の編集にWordの機能を利用するためです。

カスタマイズ箇所

自分の環境で上記のVBAマクロを利用する場合に変更が必要な箇所について解説します。

主に、挨拶文の内容やフォント設定は、利用環境や個人の好みによって変更することが望ましいです。

以下の表に変更点をまとめます。

挨拶文のカスタマイズ

挨拶文は、受信者との関係や文化的背景に応じてカスタマイズすることが望ましいです。

例えば、よりフォーマルなビジネスシーンや、異なる言語を話す受信者に対応する必要がある場合に変更します。

strAddBody = japaneseLastName & "さん" & vbCrLf & vbCrLf & "お世話になっております。" & vbCrLf

フォント名の変更

フォントは、メールの読みやすさや一貫性を保つために、使用している環境や企業のブランドガイドラインに合わせて選択します。

objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Name = "Yu Gothic"

フォントサイズの調整

フォントサイズもまた、受信者の読みやすさやメールの全体的なデザインに合わせて調整することが推奨されます。

objDOC.Range(0, Len(strAddBody)).Font.Size = 11

Toに入力されたアドレスからメール本文に宛先を自動で入力するOutlook VBAマクロのコード

このVBAマクロは、Outlookでメールを作成している際に、宛先の連絡先情報を使用してメールの冒頭に自動的に会社名や名前、挨拶文を挿入するためのものです。

Public Sub メール宛先の自動入力()

    ' 必要なオブジェクトを宣言
    Dim myMailItem As MailItem
    Dim tempBodyHTML As String
    Dim tempHeadline As String
    Dim myContactItem As ContactItem

    ' アクティブなメールアイテムを取得
    Set myMailItem = Application.ActiveInspector.CurrentItem

    ' 宛先の最初の連絡先を取得する試み
    On Error Resume Next ' エラーが発生した場合に備えて
    Set myContactItem = myMailItem.Recipients.Item(1).AddressEntry.GetContact
    On Error GoTo 0 ' エラーハンドリングをリセット

    ' 連絡先が取得できなかった場合の処理
    If myContactItem Is Nothing Then
        MsgBox "宛先の連絡先を取得できませんでした。", vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    ' 現在のメールの本文を取得
    tempBodyHTML = myMailItem.HTMLBody

    ' 連絡先の情報から挨拶文を作成
    With myContactItem
        tempHeadline = "" & _
                       .CompanyName & "
" & _
                       .Department & "
" & _
                       "  " & .LastName & " " & .JobTitle & " 様" & _
                       "いつも大変お世話になっております。"
    End With

    ' 挨拶文をメール本文の先頭に追加
    myMailItem.HTMLBody = tempHeadline & tempBodyHTML

    ' 処理完了のメッセージを表示
    MsgBox "完了しました。", vbInformation

    ' 使用したオブジェクトの解放
    Set myContactItem = Nothing
    Set myMailItem = Nothing

End Sub

各コードの解説

現在編集中のメールを取得

アクティブなメールアイテム(現在編集中のメール)を取得します。

    ' アクティブなメールアイテムを取得
    Set myMailItem = Application.ActiveInspector.CurrentItem

宛先の連絡先を取得

メールの宛先リストから最初の宛先を取得し、その連絡先情報を取得します。

    ' 宛先の最初の連絡先を取得する試み
    Set myContactItem = myMailItem.Recipients.Item(1).AddressEntry.GetContact

挨拶文の作成

連絡先の情報(会社名、部署、役職、名前)を使って、挨拶文をHTML形式で作成します。

    ' 連絡先の情報から挨拶文を作成
    With myContactItem
        tempHeadline = "" & _
                       .CompanyName & "
" & _
                       .Department & "
" & _
                       "  " & .LastName & " " & .JobTitle & " 様" & _
                       "いつも大変お世話になっております。"
    End With

挨拶文を本文に追加

作成した挨拶文をメール本文の先頭に追加します。

    ' 挨拶文をメール本文の先頭に追加
    myMailItem.HTMLBody = tempHeadline & tempBodyHTML

処理完了の通知

処理が完了したことをユーザーにメッセージボックスで通知します。

    ' 処理完了のメッセージを表示
    MsgBox "完了しました。", vbInformation

利用環境に応じた変更点

フォントスタイルの変更

挨拶文のフォントスタイルが特定の環境に合わない場合、フォントの種類やサイズを変更することができます。

font-family:Yu Gothic; font-size:11pt;

挨拶文のカスタマイズ

環境やニーズに応じて、挨拶文の内容を変更することができます。例えば、よりフォーマルな文体や異なる挨拶の言葉を使用する場合などです。

.CompanyName & "
" & .Department & "
" & " " & .LastName & " " & .JobTitle & " 様" & "いつも大変お世話になっております。"

メッセージボックスの言語

完了メッセージが英語など、別の言語で表示される場合は、メッセージボックスのテキストを適切な言語に変更することができます。

MsgBox "完了しました。", vbInformation

注意点

このマクロは、Outlookでのみ動作します。Outlookがインストールされていない環境では使用できません。

VBAマクロで行った変更は、元に戻すことができません。メールの内容を変更する前に、内容を確認することが重要です。

データが多い場合、処理に時間がかかることがあります。特に多くの宛先があるメールの場合、処理時間が長くなる可能性があります。

必要な環境設定

OutlookのVBAエディタでこのマクロを使用するには、マクロのセキュリティ設定を適切に行う必要があります。

「ツール」メニューの「マクロ」→「セキュリティ」で、「中」またはそれ以下のセキュリティレベルに設定する必要があります。

また、Outlookの信頼できる場所の設定によっては、マクロが動作しない場合があります。信頼できる場所の設定も確認してください。

Exchange環境とは

Microsoft Exchangeは、Microsoftが作成したメールサーバーとグループウェアの合体したようなサービスです。

Microsoft Exchangeは、ビジネスコミュニケーションを支えるための主要なプラットフォームです。

電子メール、カレンダー、連絡先管理、タスク管理など、様々な機能を提供しています。

このシステムは、企業や組織内での情報共有とコミュニケーションを円滑にすることを目的としています。

以下、Exchange環境の特徴とその構成要素について、順を追って説明します。

Exchangeの主な機能

1. 電子メール

社内外のコミュニケーションに不可欠です。

Exchangeは高度なメールルーティング、スパムフィルタリング、セキュリティ機能を提供します。

2. カレンダー

個人の予定管理はもちろん、会議室やリソースの予約、他のユーザーとの予定共有も可能です。

3. 連絡先管理

個人や組織内の連絡先情報を一元管理し、アクセスしやすくします。

4. タスク管理

個人やグループのタスクを管理し、効率的な作業進行をサポートします。

Exchangeの構成要素

1. Exchange Server

オンプレミス環境に設置されるサーバーソフトウェアです。

企業のIT部門によって管理され、セキュリティやデータ保護のための設定が可能です。

2. Exchange Online

Microsoft 365 (旧Office 365) の一部として提供されるクラウドサービスです。

Microsoftが運用を担当し、アクセスはインターネット経由で行われます。

3. Outlook

Exchangeサーバーに接続して、メール、カレンダー、連絡先などを利用するためのクライアントアプリケーションです。

デスクトップ版、ウェブ版(Outlook on the web)、モバイル版があります。

Exchangeの利点

セキュリティ

企業のデータ保護ポリシーに合わせてカスタマイズ可能なセキュリティ機能を提供します。

スケーラビリティ

組織のニーズに合わせて容易に規模を拡大縮小できます。

統合性

Microsoft製品との高い統合性を持ち、効率的なワークフローを実現します。

導入にあたって

Exchangeを導入する際は、組織の規模やニーズに応じてオンプレミス版かクラウド版かを選択します。

オンプレミス版はカスタマイズ性とコントロールが高い一方で、運用には専門知識とリソースが必要です。

Exchange Onlineは初期設定が簡単で、Microsoftによる運用が行われるため、ITリソースが限られている場合に適しています。

まとめ:VBAでメール作成時間の短縮

このVBAマクロを利用することで、Outlookでのメール作成作業を効率化し、日々の業務をスムーズに行うことができます。

特定の受信者に対して適切な挨拶文を自動で挿入することで、メールの個別化を図りつつ作業時間を削減できるため、ビジネスコミュニケーションの質を向上させることができます。

コピペでOK!Outlook VBAのコード一覧

Outlook VBAの基本

Outlookの操作

Outlookメール作成

Outlook メール本文作成

Outlook メール管理

Outlook 予定表

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